自律と共生を育てる「イエナプラン教育」とは?特徴とメリットを紹介
幅広い年代の子どもたちが1つの学級で学ぶ「イエナプラン教育」に興味を持っている親御さんもいるのではないでしょうか。モンテッソーリ教育と同じ非伝統的な教育方法(オルタナティブ教育)でもあり、ドイツ発祥の教育法です。
イエナプランとはどんなものなのか、特徴やメリットについてまとめてみました。
子どもがお互いの多様性を認め意欲をもって行動するためにも、今、最も注目しておきたい教育法として押さえておきましょう。
目次
イエナプラン教育の特徴
イエナプラン教育は、異年齢で構成されたグループで、一人ひとりを尊重しながら自律と共生を学ぶオープンモデルの教育のことです。
日本ではまだまだ認知度が低いので知らない人も多いのではないでしょうか。
イエナプラン教育にはどんな特徴があるのか、その発祥からご紹介します。
ドイツで発祥しオランダを中心に発展
イエナプラン教育は、1924年ドイツのイエナ大学ペーター・ペーターセンによって作られた学校教育です。そののち、オランダへと広がりを見せ、1960年にはイエナプラン教育専門の学校が設立されるまでになりました。
オランダにイエナプラン教育を広めたのは、スース・フロイデンタールと呼ばれる人物です。イエナプラン教育の理念に共感し献身的に普及に尽力した人物です。
イエナプランは今では、公立校・私立校に関わらず、小学校の多くで取り入れられているメジャーな教育法としても知られています。
イエナプラン教育の対象年齢
イエナプラン教育は、異年齢のグループによって構成されています。主に4歳〜6歳(年少・年中・年長)、6歳〜9歳、9歳〜12歳の3つのグループにて教育を受けます。
日本では年齢ごとに学級が分かれているため、他の年代の子どもと触れ合う機会も少ないのではないでしょうか。
例えば4歳〜6歳のクラスでは、年少にとって年長さんは心強い存在です。年長は、下の年齢の子どもを通して最年長であることを自覚し、責任感が育っていきます。
イエナプラン教育では毎年自分たちの役割が変わっていくのも特徴です。違う年代の子どもと接することで、お互いに助け合う気持ちや教える気持ちも育っていきます。
社会に出たときに必要になってくる部分を子どものうちから体験し、学べるのがイエナプランです。
日本におけるイエナプラン教育
日本ではイエナプラン教育が導入されたのは、2000年代に入ってからだといわれています。そのため歴史も浅くそこまで広がりを見せているわけではありません。
日本で初めてイエナプラン教育を取り入れたのは、長野県佐久郡にある大日向小学校。子どもたちが”自立すること、共に生きること、世界に目を向けること”を重視しているのも特徴です。
イエナプラン教育は異年齢と共に生活し学ぶことでたくさんのメリットがあると考えられています。
そのため、保育施設によっては、異年齢保育を実践しているところもあります。グローバル社会になっていく今、イエナプラン教育を導入する学校も増えていくといわれています。お互いの多様性を認め合うことでもあり、学べることもたくさんあります。
イエナプラン教育のメリット
イエナプラン教育を導入することで、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
問題解決能力がアップする
イエナプラン教育は、ブロックアワーと呼ばれる生徒自身が自分で学習計画を立て進める個別学習が基本です。
教科の区別をつけないワールドオリエンテーションで異年齢の子どもがグループを作り学習していきます。教員もあくまでも”導く”リーダーなので、子どもの日記や成果物をもとに文章にて評価するやり方が基本です。
教科の枠組みに縛られることもありませんし、自分にあった学習方法や総合的な学びにもつながります。子ども個人を大切にしているので意欲を促すための取り組みをしています。
グループディスカッションで自分の考えや意見を発表する機会もあります。問題に向き合う大切さを理解し、主体性や協調性を養うことはもちろん探究心も伸ばしていきます。
子どもにとっても「自分なら解決できる」と自信になるので、前向きな気持ちが育ちます。
コミュニケーション能力を培える
イエナプラン教育は異年齢の子どもと交流する機会があります。同学年の学級よりも多様な価値観に触れることになるため、自分以外の人を認識できる特徴も。そもそもコミュニケーション能力が高い人は、他者受容のスキルに長けているともいわれています。
自分以外の異なる価値観についても受け入れられるため、コミュニケーション能力に長けた性格になるのです。会話を積極的に行うことでやしなわれていきますので、異年齢との交流は欠かせません。
まとめ
イエナプラン教育は、子どもの自己肯定感を育てる方法でもあり、大切なことは何かを教えてくれます。
子どもの性格はもちろん、方向性も含めて検討してみてください。子どものコミュニケーション能力や問題解決能力を伸ばすことにもつながります。
記事を書いたひと
中ノ瀬ユウ
Webライター weareでは、主に子どもの学びを中心に執筆しています。
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